ようこそ、こちら側の世界へ。卒業と同時に始まる20年間の返済生活

奨学金400万円、おめでとうございます。

ようこそ、こちら側の世界へ。

大学卒業後、即座に奨学金返済が始まります。

私は日本育英会の奨学金、無利子200万円、有利子200万円の合計400万円を借りました。

卒業式の日、「社会人になったら自由だ!」と思っていた私を待っていたのは、月2万円、20年間続く返済地獄でした。

給与関係なくやりたい仕事に、と転職でもしたりすると赤字家計にまっしぐらです。

奨学金を借りたら、計画的に返済していく必要があります。

この記事では、奨学金400万円を借りた私の実体験をもとに、「最低限必要な収入」と「生き残るための戦略」をお伝えします。


月収20万円(手取り16万円)が死守すべき砦

結論から言います。

奨学金400万円を借りたなら、最低でも月収20万円(手取り16万円)は必要です。

これが、貯金を1〜2万円できるギリギリのラインです。

この砦はなんとしても守らないといけません。

なぜなら、これを下回ると:

  • 奨学金返済だけで手取りの12.5%が消える
  • 急な出費に対応できない
  • 貯金ができず、将来への不安が消えない
  • 冠婚葬祭や家電の故障で人生が詰む

手取り16万円の内訳:現実を見よう

では、手取り16万円で奨学金を返済しながら生活すると、どうなるのか。

リアルな内訳がこちらです。

項目予算目安備考
奨学金返済20,000円銀行引落。絶対に動かせない聖域。
家賃(共益費込)55,000円手取りの3分の1以下に抑えるのが鉄則。
食費30,000円1日1,000円ペース。自炊が必須。
光熱費・水道10,000円季節により変動。
通信費(スマホ・ネット)8,000円格安SIM利用を前提。
日用品・娯楽・雑費20,000円美容院、服、交際費など。
貯金・予備費17,000円急な冠婚葬祭や家電の故障に備える。
合計160,000円

各項目の「削れない理由」と「削り方」

奨学金返済:20,000円【聖域】

これは削れません。

銀行引落で、毎月自動的に引かれます。

滞納すれば:

  • 延滞金が発生
  • 信用情報に傷がつく(ブラックリスト入り)
  • 保証人に連絡が行く
  • 最悪、裁判沙汰

絶対に守るべき聖域です。

家賃:55,000円【最重要】

手取りの3分の1以下に抑えるのが鉄則。

手取り16万円なら、家賃は5.3万円以下が理想です。私は3万円以内に収めていました。

なるべく職場に近い家を選ぶことが理想です。

削り方:

  • 都心を諦め、郊外に住む
  • 駅から徒歩15分以上の物件を選ぶ
  • 築年数を妥協する(築20年以上も視野に)
  • シェアハウスを検討する

家賃6万円と5万円では、年間12万円の差。この12万円が人生を左右します。

食費:30,000円【工夫次第で削れる】

1日1,000円ペース。

削り方:

  • 自炊必須(外食は月1〜2回が限界)
  • スーパーの見切り品を活用
  • 冷凍保存を駆使
  • お米は実家から送ってもらう

コンビニで毎日500円使うだけで月1.5万円。これだけで食費が4.5万円になり、赤字確定です。

光熱費・水道:10,000円【季節変動あり】

夏・冬は電気代が上がります。

削り方:

  • エアコンは28度/20度設定
  • 電気はこまめに消す
  • シャワーの時間を短くする

通信費:8,000円【削れる】

格安SIMに変えれば、月3,000円以下にできます。

大手キャリア(docomo、au、Softbank)で月8,000円払っている人は、すぐに格安SIMに変えましょう。

年間6万円の節約になります。今の時代良くなりましたよね、格安SIMなんてなかったですもの。

日用品・娯楽・雑費:20,000円【ここが苦しい】

美容院、服、交際費、趣味…すべてここから捻出します。

現実:

  • 美容院:月1回3,000円
  • 服:月5,000円
  • 交際費(飲み会1回):3,000円
  • その他雑費:9,000円

飲み会2回行けば、月の予算オーバーです。

貯金・予備費:17,000円【削ってはいけない】

「貯金なんて余裕がない」と思うかもしれませんが、これは削ってはいけません。

なぜなら:

  • 冠婚葬祭(ご祝儀・香典):3万円
  • 家電の故障(洗濯機、冷蔵庫):5〜10万円
  • 病気・怪我:数万円

これらに対応できないと、借金地獄に陥ります。


月収20万円以下だとどうなるのか?

もし手取りが14万円だったら?

項目予算
奨学金返済20,000円
家賃55,000円
食費30,000円
光熱費・水道10,000円
通信費8,000円
日用品・娯楽17,000円
貯金0円
合計140,000円

貯金ゼロ。急な出費があれば即アウト。

これが、手取り14万円の現実です。


奨学金を借りたなら、正社員・フルタイム勤務は必須

奨学金を借りたなら、正社員またはフルタイム勤務でそれぐらい稼げる職場に就職しないと、毎月の返済でカツカツ、何のために生きているんだろうか、とわからなくなってしまいます。

私は22歳で社会人になり、返済予定は20年後の42歳。

当時、こう思いました。

「恋愛はいいけれど、結婚も諦めなきゃなぁ…」

結婚式の費用、出産費用、子育て費用。そんな余裕、どこにあるんだろう、と。


もし本業で月収20万円稼げないなら?

複業(副業)するしかありません。

  • 週末のアルバイト
  • クラウドソーシング(ライティング、デザインなど)
  • スキルを活かした副業

ただし、副業禁止の会社もあるので注意が必要です。


転職は「人生詰み」のリスクあり

転職をすると収入もないまま、返済は続くので人生詰みます。

転職活動中も、奨学金返済は止まりません。

  • 収入ゼロ
  • でも返済は毎月2万円
  • 貯金が底をつく
  • 保証人に連絡が行き迷惑をかける

転職するなら、次の仕事が決まってから辞めること。これ重要です。


誰かに借りるのは御法度

「今月ピンチだから、友達に借りよう」

これは絶対にやめてください。

一度借りると、癖になります。

そして、人間関係も壊れます。

家族に迷惑をかけてしまうので、死ぬに死ねません。


返済が苦しい時の救済制度

もし本当に返済が厳しくなったら、以下の制度を利用しましょう。

1. 返還期間猶予制度

最長10年間、返済を待ってもらえる制度。

  • 失業中
  • 病気・怪我
  • 年収300万円以下

など、条件を満たせば申請できます。

2. 減額返還制度

月々の返済額を減らし、返済期間を延ばす制度。

例:月2万円 → 月1万円(返済期間は2倍に)

ただし、利息は増えるので注意。


私たちが生き残る術:就職先選びが人生を決める

要領のいい生き方をしてこなかった私が唱えるのは、月収20万円以上の社保等の福利厚生付き、さらには昇給がある職場を選ぶのが私たちが生き残る術だということ。

就職先選びのチェックリスト

□ 月収20万円以上(手取り16万円以上)
□ 社会保険完備(健康保険、厚生年金)
□ 昇給あり
□ ボーナスあり
□ 女性なら産休・育休制度がある
□ 副業OK(または黙認)

この条件を満たす会社を選ぶことが、奨学金返済を乗り切る鍵です。


大学の奨学金は「安くない投資」だが「特別な融資」でもある

大学の奨学金は安くない投資です。

400万円を20年かけて返す。これは決して軽い負担ではありません。

けれど、無利子で借りれるというのも特別なことなのです。

住宅ローンや車のローン、世の中の融資を受けるには高かろう安かろうとほとんど利息が付いてくるものなのですから。

奨学金を借りれたということは、それだけ将来の収入も見込まれているということなのです。


出だし、一番初めの就職先で今後の人生は決まる

だからこそ、在学中は学業に専念し、アルバイトはそこそこに就職先を選ぶことを真剣に考えなければいけません。

大学4年生になってから「就活どうしよう…」では遅いのです。

  • 1〜2年生:自分の興味・適性を見つける
  • 3年生:インターンシップ、業界研究
  • 4年生:本格的な就職活動

最初の就職先で、奨学金返済の難易度が決まります。


まとめ:奨学金400万円を借りたあなたへ

奨学金400万円を借りたあなたへ。

これは呪いではなく、チャンスです。

確かに、20年間、月2万円の返済は重い。

でも、この負担があるからこそ、「しっかり稼げる仕事に就こう」と真剣になれる。

奨学金があるから、適当な会社に就職できないのです。

それは、ある意味「強制的に良い人生を選ばされている」とも言えます。

  • 月収20万円以上の会社を選ぶ
  • 社会保険完備の会社を選ぶ
  • 昇給・ボーナスがある会社を選ぶ

この基準で就職すれば、奨学金は必ず返せます。

そして、返し終わった42歳のあなたは、こう思うでしょう。

「あの時、奨学金があったから、ちゃんとした会社に就職できたんだ」

ようこそ、こちら側の世界へ。

一緒に、20年間、乗り切りましょう。


※本記事は筆者の個人的な体験に基づくものであり、すべての人に当てはまるわけではありません。奨学金の返済計画は、日本学生支援機構(JASSO)の公式サイトで確認し、必要に応じて専門家にも相談してください。

投稿者 Muraoka Risa

県立広島女子大学 国際文化学部 国際文化学科にて、日本文化コースを専攻、卒業。特に、日本の食文化や伝統的な社会構造が現代のグローバルな問題とどのように接続しているかを国際的な視点から研究しました。 卒業後、さまざまな職を経験し、異文化理解には単なる語学力だけでなく、「教養(Content)」が不可欠であることを痛感。この経験から、英語を学ぶと同時に、世界を深く理解するための知識を身につけるCLIL(内容言語統合型学習)メソッドに特化した本メディアIchiLogiを立ち上げました。 専門的な知見(日本文化と国際関係)に基づき、日常の疑問から、社会の真実まで、知的好奇心を満たす質の高いコンテンツを企画・提供しています。 「AIと知識があれば、どこにいても世界の扉は開かれる。」 この信念のもと、読者の皆様が世界と対等に議論できる「知的な語彙力」と「論理的思考力」を身につけるサポートをいたします。

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